【温故知新】
TRIUMPH・BIMOTA・NORTON

TRIUMPH: 2017 BONNE VILLET 120 / 1961 T120 BONNE VILLE

バーチカルツイン・キープ・ゴーイン’
大英帝国の雄、トライアンフ。黄金時代から日本車の勃興を受けて凋落した20世紀、そして今再びその咆哮を世界に轟かす。

イギリス・ウエストミッドランズ州コベントリーで1887年に設立された「トライアンフサイクル」は自転車の製造販売を行う会社であったが、19世紀末に登場した新種の乗り物“モーターサイクル”に注目。1902年には自社製のフレームに他社製エンジンを搭載するオートバイを発売し、05年には自社エンジンも開発。06年には「トライアンフエンジニアリング」と改名し、07年に始まったマン島TTレースに参加して活躍したことからその名が 一 気に広まった。

BIMOTA: 1977 SB2 / 2017 TESI3D NAKED

オートバイの宝石
美しさに息を呑む、そんなオートバイは多くない。
外装をまとってもそれを外しても飛び抜けて美しい、オートバイの宝石。

30年の時を経て変わらぬ美しさ
クラブマンが創刊したのは1986年末のことだが、翌87年9月に発売された9号では発売されたばかりのDB1Jのインプレッションとともに、ビモータのヒストリーと当時の社長であるモーリー・ジョゼッペへのインタビューを掲載している。
1985年に発売されたDB1はドゥカティ750F1の空冷Lツインユニットをビモータのオリジナルシャシーに搭載したマシンであり、Jは日本の免許制度に合わせて400ccユニットが積まれたモデル。撮影のために箱根に運び、ビモータというオートバイを初めてじっくり眺めることとなった。
水槽の中を泳ぐグッピーを思わせるようなフルカバード・ボディのユニーク極まりないフォルム。ボリューム感溢れるサイドビューに対し、前後から見たスリムさのコントラスト。アルミ鋳造のステップバーやペダル、クリップオンハンドルホルダーの卓越した造形と、シャープな削り出しパーツの調和。これがイタリアンデザインか、と思わずため息を漏らしたものだった。

MOTO GUZZI: 1971 V7 SPORTS / 2017 V9 ROMER / 2002 V11 ROSSO CORSA

快適に進化したシーラカンス
1965年にデビューしたV7系ビッグツイン、77年のイモラ/モンツァ系スモールツインが基本を変えずに進化したモトグッツイ。裏を返せばそれは優れた技術力の証明ともいえる。

世に数あるオートバイの中で、「個性」という意味において言うならモトグッツィの右に出るものはないと思っている。
クランク軸縦置き+シャフトドライブという基本レイアウト、重いフライホイールマスを持つ挟角90度Vツインは大排気量2気筒エンジンならではの強烈なトルクを発揮し、スロットルを煽ればグラリと右に傾ぐ癖は初めて跨る者をヒヤリとさせる。これほど好き嫌いがはっきりと分かれるオートバイは他にない。
モトグッツィの縦置きVツインを搭載する初めてのモデル、V 7が登場したのは今を遡ること半世紀以上前、1965年のミラノショーだった。

NORTON: COMMANDO

純粋なるイギリス製バイクの復活
単にブランドをアメリカから買い戻しただけではなく、ハンド・メイド・イン・イングランドにこだわり、プレミアムなバイク創りを約束する新生ノートンの城にて。

ノートン。クラシック・モーターサイクルを愛するものには郷愁だけではなく、憧れを隠し切れないブランドだ。ノートンの美しいデザイン。豊かな、しかし何度もの合併や倒産を経た数奇なストーリー。優れた設計で多くのエンスージャストに愛され、ブランドを越えてレーシングマシンに使われたフレーム。一度は完全に倒産しブランドも拡散してアパレルだけが一人歩きすることもあったノートンが、イギリスのほぼ中央、ドニントンに居を構え、新オーナーの下、新しいモデルを送り出し始めたのは2009年。品質問題を乗り越え、内製に活路を見出し、ハンドメイド・イン・イングランドを誇りとして現代のテクノロジーによるラインアップを送り出すノートンを訪問した。

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